クロス補聴器にはメリットがとても多くあり、デメリットをはるかに上回るほどです。
しかし、そんなクロス補聴器にもデメリットは存在します!クロス補聴器は片耳難聴に最適と考えられる補聴システムですがメリットばかりではありません。今回はクロス補聴器にあるデメリットに注目してご紹介したいと思います。
なぜ、マイナスになることをわざわざお伝えするのかというとクロス補聴器を使う上で必要な情報だからです。デメリットを知って、クロス補聴器のできないコトや苦手なコトをはっきりさせておくことがとても大事です。ぜひ当サイトをクロス補聴器選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。
片耳がきこえないことで日常生活にお悩みではないでしょうか。片耳難聴は一般的な補聴器で聞こえを改善させるのは難しく、医師の診断でも補聴器は効果がないという説明があることもあります。そこで片耳難聴用のクロス補聴器を知ったと思うのですが、なぜ両耳につけなくてはいけないのか、ほんとに聞こえは改善されるのかなどギモンがあると思います。もちろん聞こえの効果やしくみも気になると思いますが、デメリットも知っておくことがクロス補聴器をつけるうえで重要です。
メリットばかり知っていてもデメリットを理解していなければ自分の中で効果に納得がいかず、思っていたモノと違うと装用をあきらめてしまうことになるかもしれません。クロス補聴器の数少ないデメリットを知って満足のいく聞こえを手にいれましょう。
ここからは、クロス補聴器についてカンタンにご紹介していきますね。
クロス補聴器とは
上の図は一般的な補聴器の構造です。クロス補聴器は片耳難聴(一側性難聴)の方のために作られた特別な補聴器で上の機械構成とはことなります。片耳難聴は聴力レベルによっては一般的な補聴器のみでは補えないことがほとんどです。
難聴の耳に補聴器をつけても音は聞こえるようになるけど言葉が聞きとれないなど、改善が難しいのが現実です。そこで開発されたのがクロス補聴器です。クロス補聴器は補聴器のしくみとは大きくことなるので、補聴器との違いやしくみを理解しなければうまく使うことができないでしょう。
クロス補聴器と片耳補聴器の違い
クロス補聴器は補聴器という名ですが実は送信機です。ですので一般的な補聴器と違って音を集音しますが、音を出力することができません。もし片耳難聴でクロス補聴器を使うのであればクロス補聴器単体では使用することができないということです。
一般的な補聴器なら音の出力があるので一台だけでも聴力を補うことも可能かもしれませんが、クロス補聴器は一台だけつけても効果がありません。クロス補聴器と一般的な補聴器は別物とお考えください。
クロス補聴器が聞こえを改善する仕組み
クロス補聴器を使って聞こえを改善させるには、クロス補聴器とは別で一般的な補聴器を用意する必要があります。クロス補聴器と補聴器を両耳につけるのですが難聴のある耳にクロス補聴器をつけ、健康な耳には補聴器をつけます。
聞こえ改善のしくみはクロス補聴器で集音した音声を補聴器に送信して、補聴器からクロス補聴器で集音した音声を出力させるというしくみです。クロス補聴器を使えば、難聴で今まで聞きとりができなかった音声を健康な耳で聞くことができるという効果があります。
クロス補聴器の種類について
種類は補聴器と同じく、耳かけ型のRICタイプと耳あな型タイプがあります。(耳あな型タイプはフォナック補聴器のみ)クロス補聴器を取り扱う補聴器メーカーは日本国内では3社のみで、フォナック補聴器、シーメンス・シグニア補聴器、ワイデックス補聴器です。
補聴器メーカーは他にも数多くありますがクロス補聴器を開発している補聴器メーカーが少ないのは意外ですね。クロス補聴器は各メーカーで同じ仕組みで聞こえの改善をおこないます。クロス補聴器は同メーカーの中でも対応する機種が決まっているので選ぶ時に対応している機種かどうかを確認しましょう。
クロス補聴器の相場
まずクロス補聴器の相場は補聴器の金額と合計した価格で予算を考えてください。クロス補聴器単体の価格相場はおよそ100,000円です。そしてクロス補聴器対応の補聴器の価格相場が片耳で約150,000円から300,000円ほどが一般的です。クロス補聴器と補聴器の2台分の相場は最低でも250,000円となります。
ここからは、クロス補聴器のデメリットについてご紹介していきますね。
クロス補聴器のデメリットについて
難聴で今まで聞こえなかった音や声がクロス補聴器をつければストレスなく聞くことができるかもしれない。クロス補聴器は片耳難聴者にとって聞こえを改善させるには一番有効な手段と考えられます。しかし、メリットの裏にはデメリットも隠れているのでみていきましょう。
価格帯
まずデメリットの一つとして考えられるのが本体の価格です。片耳難聴であっても補聴器だけで改善ができるのなら片耳だけに用意すればいいのですが、クロス補聴器にする場合には二台分の金額が必要です。クロス補聴器は補聴器と違い課税だということも知っておきましょう。
バッテリー
こちらも経済的なデメリットで、クロス補聴器は通常の補聴器と違い常に左右で通信をおこないます。そのため電池の消費が早くなってしまいます。
クロス補聴器をつける時間によっても変動がありますが一日中つけていれば3、4日で消耗してしまうことだってあるでしょう。クロス補聴器を使う上で一番のデメリットです。電池寿命が弱点としてありますがフォナックからは充電式のクロス補聴器もリリースされています。フォナックの充電式クロス補聴器についてこちら
クロス補聴器を使っても難しい聞きとりの場面がある
クロス補聴器のデメリットとして聞きとりの改善が難しいトコロもあります。それは音の方向感です。クロス補聴器では難聴側の音声も健康な耳側で聞きとるので難聴側の耳の能力は使いません。片耳ですべて聞くことになるので左右の音のバランスを感じとりにくくなります。
しかし、これは個人差がありクロス補聴器に慣れれば方向感もわかったというユーザーも中にはいらっしゃいました。誰もが改善するわけではないのでデメリットとして紹介しておきます。この他に離れた場所(2、3メートル)からの会話など補聴器でも対応しきれないことがあるということも覚えておいてください。
ここからは、クロス補聴器のメリットについてご紹介していきますね。
クロス補聴器のメリットについて
クロス補聴器のデメリットをお伝えしてきましたが、次はメリットについても紹介します。クロス補聴器にはデメリットに負けないメリットが数多くあるんです!クロス補聴器の聞こえのしくみを知ってより興味をもっていただけると嬉しいです。
なんと言ってもクロス補聴器では片耳難聴の聞きとりを大きく改善することができます!
クロス補聴器で改善できるコト
- 難聴のある耳側で会話をされても補聴器から聞くことができる
- 騒がしい場所での聞きとりの改善ができる
- 複数人での会話の聞きとりを改善できる
クロス補聴器をつけることで今まで難しかった会話の聞きとりがスムーズになるでしょう。嘘みたいな話ですがクロス補聴システムを活用すれば、お悩みである片耳難聴の聞きとりを何もしない時よりも大幅に改善することができるんです。
ここからは、クロス補聴器をより知るための秘訣をご紹介していきますね。
クロス補聴器を体験してみましょう
クロス補聴器のデメリットやメリットを知ればあとは実際に改善効果を体験してみることです。補聴器店の多くではクロス補聴器の試聴やレンタルをすることが可能です。試聴とレンタルはクロス補聴器を知るためには必須ですよ。クロス補聴器は取り扱うお店も少ないので、できれば補聴器専門店を選ばれると取り扱っていることが多いですよ。クロス補聴器のメーカーも揃っていれば比較してみるのがいいでしょう。
普段の生活で聞き比べてみましょう
クロス補聴器をレンタルできるのであれば自宅や外出先で着けている時と着けていない時など聞き比べてみてください。どれだけ違いがあるのかを確認していただくとクロス補聴器があなたに必要かどうかがはっきりとわかるでしょう。
まとめ
クロス補聴器のデメリットについてご紹介してきました。
片耳難聴であればクロス補聴器をつけることで聞こえの悩みを改善することができるかもしれません。クロス補聴器だけではなく補聴器装用にも言えることですが、必ず使う前にはデメリットを知っておくことが大事です!デメリットを知れば補聴器の効果にギモンを感じることも少なく、慣れるのもはやくなるでしょう。
クロス補聴器を理解しておけばあなたも納得のできる聞こえで毎日を過ごすことができるのではないでしょうか。