片耳だけ聞こえない方への補聴器の選び方について

片耳難聴 補聴器 選び方

こんにちは、大阪の補聴器専門店リスニングラボのスガイです。今日は片耳難聴でお悩みの方に向けて、最適な補聴器の選び方についてお話しします。片方の耳だけが聞こえにくい状態は、日常生活でさまざまな不便を感じることがありますよね。音の方向がわかりにくかったり、騒がしい場所での会話が特に困難だったりと、お悩みは尽きないと思います。

片耳難聴の方に適した補聴器選びは、両耳難聴の方とは少しことなるポイントがあります。この記事では、片耳難聴の方が補聴器選びで失敗しないための情報をわかりやすくご紹介します。ぜひ最後までお読みいただき、あなたにあった補聴器選びの参考にしてください。

目次

片耳難聴とは?その特徴と日常生活での影響

片耳難聴 悩み

片耳難聴とは、その名の通り片方の耳だけに難聴がある状態をさします。「一側性難聴」とも呼ばれています。片耳が正常で片耳に難聴がある場合と、両耳に難聴があるけれども左右の聴力に大きな差がある場合もふくまれます。

片耳難聴の方が日常生活で感じる主な困りごとには以下のようなものがあります。

  • 音の方向がわかりにくい
  • さわがしい場所での会話が特に困難
  • 難聴側から話しかけられると聞きとりにくい
  • 電話の使用が難しい(特に難聴側の耳で)
  • 音楽や映画の立体的な音響を十分に楽しめない

片耳難聴は、決してめずらしいものではなく、適切な対応策があることを知っていただきたいと思います。

片耳難聴に対応する補聴器の種類

片耳難聴 補聴器 種類

片耳難聴の方が選べる補聴器は、大きく分けて2つのパターンがあります。

一般的な補聴器

難聴のある耳に装着する通常の補聴器です。片耳の難聴が軽度から中度(聴力レベルが約50dB未満)の場合は、この一般的な補聴器で十分に効果を感じられることが多いです。

主な種類としては:

  • 耳かけ型補聴器
  • 耳あな型補聴器

などがあります。それぞれ形状や機能がことなるので、難聴の程度や耳の形状、ライフスタイルにあわせて選ぶことが大切です。

クロス補聴器(CROS/BiCROS)

片耳が高度から重度の難聴(聴力レベルが約50dB以上)の場合、または一般的な補聴器で効果が感じられない場合に検討したいのが「クロス補聴器」です。

クロス補聴器は、難聴側の耳に装着したマイクで音を拾い、それをワイヤレスで健聴耳に着ける補聴器に送信するシステムです。これにより、難聴側からの音を健聴耳で聞くことができるようになります。

クロス補聴器の使用方法は2パターンあります。

CROS
健聴耳が正常で、反対側の耳が高度~重度難聴の方向け。難聴側の音を健聴耳に届けます。

BiCROS
健聴耳にも軽度~中度の難聴がある方向け。難聴側の音を健聴耳に届けるとともに、健聴耳側の音も増幅します。

クロス補聴器は片耳が全く聞こえない方や、左右の聴力差が大きい方に効果的です。

クロス補聴器の最新機能と使いやすさ

最新のクロス補聴器は、バッテリー性能の向上だけでなく、使いやすさも大きく進化しています。

操作性の向上

最新モデルでは操作性も向上しています。スマートフォンアプリを使った操作も可能で、専用アプリを通じて補聴器とCROSの音量バランスを調整できたり、補聴器のマイク設定をさわることも可能です。

充電の利便性

近年の補聴器は電池式ではなく充電式が主流になりつつあります。稼働時間が少なかったクロス補聴器も充電式が増えてきて使い勝手がさらに向上していますね。

これらの進化により、片耳難聴の方々にとって、クロス補聴器はより使いやすく、日常生活に溶け込みやすくなっています。

片耳難聴の方が補聴器を選ぶ際のポイント

片耳難聴の方が補聴器を選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが大切です。

難聴の程度を正確に把握する

まずは、専門の医療機関で聴力検査をうけて、難聴の程度を正確に把握しましょう。聴力検査の結果をもとに、適切な補聴器の種類を選ぶことができます。

  • 軽度~中度難聴(約50dB未満):一般的な補聴器
  • 高度~重度難聴(約50dB以上):クロス補聴器を検討

また、健康な耳と難聴の耳の聴力差が50dB以上ある場合は、一般的な補聴器での改善がむずかしくなることがあります。そのような場合もクロス補聴器が適している可能性が高いです。

生活環境や使用シーンを考慮する

どのような環境ですごすことが多いかも、補聴器選びの重要なポイントです。

  • 静かな環境が多い方:基本的な機能の補聴器で対応可能
  • 騒がしい場所での会話が多い方:ノイズリダクション機能やマイク性能が充実した高機能モデル

とくに片耳難聴の場合、さわがしい環境での聞きとりが両耳難聴よりも困難なことがあります。そのため、環境におうじた機能をもつ補聴器を選ぶことが重要です。

操作性と電池持続時間

補聴器は毎日使うものですから、操作のしやすさやバッテリーの持続時間も重要な選択基準です。

  • 操作が簡単なもの:手先が不器用な方には重要
  • 充電式か電池式か:充電式は便利ですが、電池式は予備電池を持ち歩けば安心
  • スマートフォンアプリ連動:音量調整などがアプリでできると便利

とくにクロス補聴器は一般的な補聴器よりバッテリー消費が早い傾向にあるため、持続時間は重要なチェックポイントです。

おすすめのクロス補聴器を紹介

片耳難聴 クロス補聴器 おすすめ

片耳難聴の方におすすめのクロス補聴器をご紹介します。それぞれの特徴を比較して、あなたにあった製品を見つける参考にしてください。

耳かけ型補聴器 フォナッククロスI-R【Phonak CROS I-R】

フォナックのインフィニオシリーズ対応の充電式クロス補聴器で、操作性の良さと自然な音質が特徴です。

特徴:

  • クロスバランスを簡単に操作可能
  • オートセンスOS6.0による快適な音質
  • 環境音をしっかり抑制
  • スマホアプリ使用可能

バッテリー持続時間: 最大約12時間
適応聴力: 軽度~重度難聴
指向性: ウルトラズーム指向性

手元で簡単に音量感を変えられる点や、自動環境認識機能により快適な音質で聞こえを改善できる点が魅力です。クロス補聴器の指向性マイクの働きがあり、生活環境にも対応できる万能機種といえるでしょう。

耳かけ型補聴器 シグニア ピュア C&G IX クロス【Signia Pure C&G IX CROS】

シグニアのIXシリーズ対応のクロス補聴器は快適性を重視した性能を誇ります。

特徴:

  • 幅広い環境で快適に使用可能
  • スマートホン連動でより便利
  • 利便性の高い充電ケース

バッテリー持続時間: 最大約12時間
適応聴力: 軽度~重度難聴
指向性: トゥルーイヤー

騒音下での会話にも対応できる音質バランスをもち、音楽のプログラムも追加されているため、より快適なライフスタイルを送れる音質調整が可能です。きこえをより満足させたい方に人気があります。

耳かけ型補聴器 スターキー RIC RT クロス【Starkey RIC RT CROS】

スターキーのジェネシスシリーズ対応のクロス補聴器です。さまざまな環境で適応しやすい性能になっています。(後継機種としてエッジシリーズが発売されました)

特徴:

  • さわがしい場所にも強い
  • 環境と動きを認識
  • バッテリーが長持ち

バッテリー持続時間: 連続使用28時間
適応聴力: 軽度から重度難聴
指向性: モーションセンサー

環境認識と自身の動きを感知して片耳難聴のきこえをサポートしてくれます。バッテリーが大変長持ちするのも魅力的で、電池寿命がネックだったクロス補聴器に頼もしい選択肢です。

片耳難聴の方が補聴器を選ぶ際によくある質問

ここでは、片耳難聴の方からよく寄せられる質問にお答えします。

Q: 片耳だけの補聴器でも効果はありますか?

A: 片耳補聴器でおぎなえるかどうかは片耳難聴のきこえの程度によります。軽度の片耳難聴の場合だと、片耳の補聴器で効果をえれる可能性が高いです。

Q: クロス補聴器は健聴耳にも装着するのですか?

A: はい、クロス補聴器は両耳に装着します。難聴側の耳にはクロス補聴器、健聴側の耳には補聴器を装着します。両耳で通信させることで、難聴側からの音を健聴耳で聞けるようになります。

Q: 片耳難聴用の補聴器の価格はどのくらいですか?

A: クロス補聴器に適応する補聴器の場合、20万円以上はみておきましょう。クロス補聴器単体の価格は、10万~16円程度が一般的です。クロス補聴器の購入は合計で30万円以上から予算を組んでおく必要があります。

Q: 試聴はできますか?

A: 多くの補聴器専門店ではクロス補聴器の試聴が可能です。まず、自分にあうかためしてみることはとても重要になります。

片耳難聴の方が補聴器を選ぶ際の注意点

最後に、片耳難聴の方が補聴器を選ぶ際の注意点をいくつかご紹介します。

耳鼻咽喉科、または補聴器専門店で相談する

片耳難聴の場合、特に左右の聴力差が大きい場合は、一般的な補聴器では効果をえれない可能性があります。かならず耳鼻咽喉科医や認定補聴器技能者などの専門家に相談して、適切なアドバイスを受けることが大切です。

試聴期間をもうける

補聴器は高額な買い物ですので、できれば試聴期間をもうけて、実際の生活の中で効果を確認することをおすすめします。とくにクロス補聴器は独特のシステムですので、使用感をたしかめることが重要です。

アフターサービスを確認する

補聴器は長く使うものですから、購入後のサポートやメンテナンスが充実しているかどうかも重要なポイントです。定期的な調整や清掃、故障時の対応などについて、事前に確認しておきましょう。

保証内容を確認する

多くの補聴器には保証期間がつけられています。クロス補聴器は1年間の保証がついています。あらかじめ補聴器の保証の内容や期間、延長保証の有無などを確認しておくと安心です。

まとめ:あなたにあった片耳難聴用補聴器を見つけるために

片耳難聴の方が補聴器を選ぶ際には、難聴の程度や生活環境、使用シーンなどを考慮して最適な補聴器を選ぶことが大切です。

軽度から中度の片耳難聴であれば一般的な補聴器で効果が期待できますが、高度から重度の片耳難聴の場合はクロス補聴器が効果的なことが多いです。健康な耳と難聴の耳の聴力差が50dB以上ある場合は、クロス補聴器を検討するとよいでしょう。

また、補聴器選びは一度で終わるものではなく、試聴や調整を繰り返しながら、自分にあったものを見つけていくプロセスです。あせらず、専門家のアドバイスをうけながら、じっくりと選んでいくことをおすすめします。

私たちリスニングラボでは、片耳難聴でお悩みの方に最適な補聴器選びをサポートしています。無料の聞こえの相談や補聴器の試聴もおこなっていますので、お気軽にご来店ください。あなたの聞こえの悩みを解決するお手伝いをさせていただきます。

片耳難聴は両耳難聴とはことなる悩みがありますが、適切な補聴器選びによって、日常生活の質を大きく向上させることができます。この記事が、あなたにあった補聴器選びの参考になればさいわいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。何かご質問があれば、いつでもお気軽にお問い合わせください。

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