こんにちは!大阪の補聴器専門店リスニングラボで働いているスガイです。今日は、お客様からよくご相談いただく「片耳難聴でも障害者手帳って出るのかな?」という疑問について、わかりやすくお話しさせていただきますね。
片耳難聴って実は多くの方が抱えている悩みなんです
まず最初に、片耳難聴について簡単にご説明しますね。片耳難聴というのは、文字通り片方の耳だけが聞こえにくくなる状態のことです。もう片方の耳は正常に聞こえているという場合が多いんですが、実はこれ、思っている以上に日常生活に影響があるんですよね。
私がお店で接客していても、「片耳だけだから大丈夫だと思っていたけれど、実際は困ることが多くて…」というお客様が本当に多いんです。音の方向がわからなくて危険を感じたり、騒がしい場所での会話が困難だったり、片耳難聴特有の悩みがあるんですね。
そうなんですね、片耳が聞こえないだけでも、生活の質は確実に下がってしまうものなんです。でも、「片耳は聞こえるから障害者手帳はもらえないだろう」と諦めている方も多いのが現状です。
障害者手帳の基準を詳しく見てみましょう
さて、本題の障害者手帳についてですが、実は片耳難聴でも条件によっては手帳の対象になる場合があるんですよ。これは意外に知られていない事実なので、ぜひ覚えておいていただきたいですね。
身体障害者手帳(聴覚障害)の認定基準
聴覚障害で身体障害者手帳を取得するための基準は、実は結構複雑なんです。基本的には両耳の聴力に著しい障害がある場合が対象となりますが、片耳難聴でも以下の条件を満たせば6級として認定される可能性があります。
片耳が90dB以上の難聴で、かつもう片方の耳も50dB以上の難聴がある場合。これは「片耳がまったく聞こえない状態で、もう片方も中程度の難聴がある」ということですね。
dB(デシベル)という単位がピンとこない方もいらっしゃると思いますが、簡単に説明すると、50dBというのは普通の会話がやや聞き取りにくいレベル、90dB以上というのはほとんど聞こえない状態を指します。
逆に言えば、片耳が完全に聞こえなくても、もう片方の耳が正常な聴力である場合は、残念ながら障害者手帳の対象にはならないんです。これは現在の制度の限界とも言える部分ですね。
聞こえの程度について
聞こえによる聴力の程度について
軽度難聴(聴力レベル25dB以上40dB未満)
小さな声や騒音下での会話の聞き間違いや聞き取り困難を自覚する。会議などでの聞き取り改善目的では、補聴器の適応となることもある。
中等度難聴(聴力レベル40dB以上70dB未満)
普通の大きさの声の会話の聞き間違いや聞き取り困難を自覚する。補聴器の良い適応となる。
高度難聴(聴力レベル 70dB以上90dB未満)
非常に大きい声か補聴器を用いないと会話が聞こえない。聞こえても聞き取りには限界がある。両耳の聴力レベルがそれぞれ平均70db以上の場合には、判定医の診療により障害者認定を受けられる場合もある。
重度難聴(聴力レベル 90dB以上)
補聴器でも聞き取れないことが多い。人工内耳の装用が考慮される。

オージオグラムの見方

これは右耳の聴力測定結果の例です。縦に並んる数字(横軸)が音の大きさ、dB(デシベル)と呼ばれます。
下にある横に並んだ数字(縦軸)が周波数、Hz(ヘルツ)です。
dBは下に行くほど大きい音になります。Hzは音の種類です。
上のグラフの場合は右耳の気導聴力のグラフになります。
聴力レベルの計算方法は500Hzと1000Hz×2と2000Hzの聴力を足して4で割り算をして計算されます。これを4分法といいます。
この場合は35+40×2+50÷4ですので平均聴力41.25dBになり軽中度の難聴になります。
福祉法における聴覚障害者の等級について
では障害者手帳が交付されるのはどの様な聴力の方でしょうか?
日本では平均聴力レベルが70dB以上から障害者手帳の交付がされます。
しかし、国連の世界保健機構(WHO)では41dBから補聴器の装用が推奨されるとあります。
聴覚障害のみの場合、最も重度だと障害者程度等級は2級までになり、聾啞(ろうあ)者は言語障害が加わると1級に認定される場合があります。
聴覚障害の等級判定基準一覧表
等級 | 障害者程度・等級判定基準 |
---|---|
2級 | 両耳の聴力レベルがそれぞれ100dB以上のもの(両耳全ろう) |
3級 | 両耳の聴力レベルが90dB以上のもの(耳介に接しなければ大声語を理解し得ないもの) |
4級 | 1. 両耳の聴力レベルが80dB以上のもの(耳介に接しなければ話声語を理解し得ないもの)2. 両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50%以下のもの |
6級 | 1. 両耳の聴力レベルが70dB以上のもの(40cm以上の距離で発声された会話語を理解し得ないもの)2. 一側耳の聴力レベルが90dB以上、他側耳の聴力レベルが50dB以上のもの |
等級別の特徴
2級(最重度)
- 両耳とも完全に聞こえない状態
- 補聴器を使用しても音声での会話は困難
3級(重度)
- 耳元で大声を出さないと理解できない状態
- 日常会話は非常に困難
4級(中等度重度)
- 耳元での会話でないと理解困難
- 語音明瞭度が50%以下の場合も含む
6級(中等度)
- 40cm以上離れた会話の理解が困難
- 片耳難聴も含まれる重要な等級
そうなんですね、この6級の「一側耳の聴力レベルが90dB以上、他側耳の聴力レベルが50dB以上のもの」という基準が、前回の記事でお話しした片耳難聴の方にとって重要なポイントになるんです。
片耳だけが難聴では手帳は出ないの?
難聴度が手帳の等級条件に該当すれば障害者手帳が交付され補助金が出て補聴器が支給されます。
しかし、片耳は健聴でもう片耳が難聴の場合は障害者手帳の交付はされません。
難しい問題なのですが片耳だけが難聴の場合は手帳の申請は通らないんです。
しかし、ある条件があれば片耳の難聴でも手帳が出ます。
その条件は上で紹介した障害者程度等級の6級の所にあります。
一側耳の聴力レベルが90dB以上、他側耳の聴力レベルが50dB以上のものとあります。
片耳が90dB以上で、他側耳が健聴ではなく50dB以上の聴力レベルであれば手帳6級に該当します。

注意してほしいのが片耳が健聴ではなく50dB以上の聴力であれば手帳が出るという事です。
上記のような難聴の場合はバイクロスが効果的です。
実際の申請流れはどうなっているの?
もし条件を満たしている可能性がある場合、申請のプロセスはこんな感じになります。
まず耳鼻科で正確な聴力検査を受けていただくことが大切です。そうなんですね、自分では「聞こえにくい」と感じていても、実際の数値がどうなのかは専門的な検査を受けないとわからないものなんです。
検査結果をもとに、指定医による意見書の作成が可能かどうか相談し、その後市区町村の障害福祉課に申請するという流れになります。審査には約3ヶ月程度かかることが多いようですね。
障害者手帳がもらえない場合でも諦めないで!他の支援制度があります
「やっぱり手帳は難しそう…」と思われた方も多いかもしれませんが、実は片耳難聴の方が利用できる福祉制度は他にもあるんですよ。これが意外と知られていないんです。
障害年金・障害手当金という選択肢
厚生年金に加入されている方でしたら、「障害手当金」という制度があります。これは片耳難聴でも対象になる可能性があるんです。条件としては、初診日が厚生年金の被保険者期間中であることが必要ですが、一時金として支給されるものです。
私のお客様でも、「障害者手帳はもらえなかったけれど、障害手当金を受給できた」という方がいらっしゃいました。40代の会社員の方だったんですが、突発性難聴で片耳の聴力を失った際に、この制度を利用されたんです。
思いませんか?こういう制度があることを知っているかどうかで、生活の負担が大きく変わってくるものですよね。
自治体独自の補聴器助成制度
これは本当に地域によって差があるんですが、軽中度難聴者向けに補聴器の購入費用を助成している自治体があります。大阪でも一部の自治体で実施されているんですよ。
例えば、購入費用の一部を補助してくれたり、上限額内で助成金が出たりする制度です。障害者手帳を持っていなくても利用できる場合が多いので、お住まいの自治体に問い合わせてみることをお勧めします。
いかがでしょう、こういう制度があることをご存知でしたか?実は私も仕事を始めてから知ったんですが、もっと多くの方に知っていただきたい制度ですね。
合理的配慮という新しい考え方
最近注目されているのが「合理的配慮」という考え方です。これは障害者手帳の有無に関わらず、片耳難聴などで困っている方に対して、学校や職場が必要な配慮を行うよう努めるというものです。
具体的には、会議の際に座る位置を配慮してもらったり、重要な連絡事項を文書でも共有してもらったりといった配慮が考えられます。私も40代になって聞こえに不安を感じるようになってから、職場でのコミュニケーションの重要性を改めて実感しています。
補聴器という選択肢について考えてみませんか?
福祉制度も大切ですが、やはり日常生活の質を向上させるためには、補聴器の活用を検討していただきたいと思います。そうなんですね、片耳難聴の方にとって補聴器は本当に生活を変える可能性があるんです。
片耳難聴用の補聴器の特徴
片耳難聴の方には、主に2つのタイプの補聴器があります。
一つ目は「CROS補聴器」というタイプです。これは聞こえない側の耳に送信機を装着し、聞こえる側の耳に受信機を装着するものです。聞こえない側の音を聞こえる側に転送することで、全方向からの音を聞き取りやすくします。
二つ目は「バイクロス補聴器」で、これは聞こえる側の耳にも軽度の難聴がある場合に使用します。CROS機能に加えて、聞こえる側の音も増幅するんです。
実際にお店でお客様に試聴していただくと、「こんなに違うんですね!」と驚かれることが多いんですよ。40代の営業職の男性のお客様は、「会議での聞き取りが格段に良くなった」と喜んでくださいました。
補聴器選びで大切なポイント
補聴器選びで一番大切なのは、実際に試してみることですね。いいですね!私たちリスニングラボでは2週間の無料レンタルを実施していて、実際の生活環境で試していただけるんです。
聞こえの状態は人それぞれ違いますし、ライフスタイルも異なります。オフィスワークが中心の方、外回りが多い方、家庭での会話を重視される方、それぞれに最適な補聴器は変わってくるんです。
思いませんか?高価な買い物だからこそ、しっかりと試してから決めたいですよね。
経済面での負担を軽減する方法
補聴器の購入を検討される際に、多くの方が気になるのが費用の問題です。そうなんですね、確かに補聴器は決して安い買い物ではありませんが、様々な経済的支援を活用できる場合があります。
医療費控除の活用
補聴器の購入費用は、医師の診断書があれば医療費控除の対象になります。これは片耳難聴の方でも利用できる制度です。年間の医療費が10万円を超えた場合、確定申告で控除を受けることができるんです。
障害者控除について
もし障害者手帳を取得できた場合は、障害者控除も利用できます。これは所得税や住民税の控除を受けられる制度で、経済的な負担軽減に大きく貢献します。
高額療養費制度の活用
突発性難聴などで高額な治療費がかかった場合は、高額療養費制度も利用できます。月の医療費が一定額を超えた場合に払い戻しを受けられる制度で、事前に「限度額適用認定証」を取得しておけば、一定額以上の支払いをしなくて済むんです。
職場や学校での困りごとと対処法
片耳難聴の方が最も困られるのが、職場や学校での聞き取りの問題ですね。私も40代になってから、会議での聞き取りに不安を感じることが増えました。
具体的な困りごと
会議室での会話、特に複数人が同時に話すような場面では、音の方向がわからず誰が話しているのかわからなくなることがあります。また、騒がしい環境での電話応対や、後ろから呼ばれた時に気づかないといったことも起こりがちです。
対処法とお願いできる配慮
こういった困りごとに対して、いくつかの対処法があります。まず、会議では聞こえやすい位置に座らせてもらうことです。聞こえる耳を相手に向けられるような席を選ぶか、お願いできれば配慮してもらいましょう。
また、重要な連絡事項については口頭だけでなく、メールなどの文書でも共有してもらうことで、聞き漏らしを防ぐことができます。
いかがでしょう、こういった配慮は「合理的配慮」として、法的にも認められているものなんです。遠慮せずにお願いしてみることが大切ですね。
家族や周囲の方へのお願い
片耳難聴の方のご家族や周囲の方にも、ぜひ理解していただきたいことがあります。
見た目ではわからない困難
片耳難聴は外見からはわからない障害です。そのため、周囲の人には理解されにくいという問題があります。「片耳は聞こえるんでしょ?」と言われることも多いんですが、実際には様々な困難があるんです。
効果的なコミュニケーション方法
話しかける時は、聞こえる側から話しかけていただくか、正面から話しかけていただくと良いですね。また、重要な話をする時は、テレビの音を小さくするなど、静かな環境を作っていただけると助かります。
そうなんですね、ちょっとした配慮で、片耳難聴の方の生活は大きく改善されるものなんです。
子どもの片耳難聴について
最近、子どもの片耳難聴についてのご相談も増えています。学校生活での影響を心配される親御さんが多いんです。
学習への影響
教室での授業では、先生の声が聞き取りにくい場合があります。特に、聞こえない側に先生がいる時や、騒がしい環境での授業では困難が生じることがあります。
学校での配慮
学校に対しては、座席の位置を配慮してもらったり、重要な連絡事項を文書でも伝えてもらったりといったお願いができます。また、体育の授業や音楽の授業では特別な配慮が必要な場合もあります。
思いませんか?子どもの将来のためにも、早めの対策が大切ですよね。
最新の補聴器技術について
技術の進歩により、片耳難聴の方向けの補聴器も大きく進化しています。いいですね!最新の技術についてもご紹介させていただきますね。
デジタル技術の活用
最新の補聴器では、デジタル技術により雑音を抑制したり、話し声を強調したりする機能が搭載されています。また、スマートフォンとの連携により、細かな調整も可能になっています。
小型化・目立たない設計
以前の補聴器と比べて、現在の製品は格段に小型化が進んでいます。耳の中に完全に入るタイプや、髪の毛で隠れる程度の小さなタイプもあります。
まとめ:一人で悩まずにご相談ください
片耳難聴でも、条件によっては障害者手帳の対象になる場合があります。また、手帳が取得できない場合でも、様々な支援制度や補聴器による改善方法があります。
大切なのは、一人で悩まずに専門家に相談することです。そうなんですね、聞こえの問題は生活の質に大きく影響するものですから、遠慮せずにサポートを求めることが重要です。
私たち大阪のリスニングラボでは、片耳難聴の方のご相談を数多く受けており、お一人お一人の状況に合わせたアドバイスをさせていただいています。補聴器の無料レンタルも実施していますので、お気軽にお試しいただけます。
いかがでしょう、今回の記事で片耳難聴の方への支援について理解が深まったでしょうか?何かご不明な点がありましたら、いつでもお気軽にご相談くださいね。
40代になって改めて感じるのは、聞こえの健康の大切さです。早めの対策で、より良い生活を送っていただきたいと心から願っています。
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