補聴器を使うにあたって必ず必要な物、それは電池です。
最近は電池いらずの充電式の補聴器も登場しましたがまだまだ電池使用の補聴器の方が普及しています。補聴器の電池について気になる事ってみなさんありませんか?電池の持ち時間や正しい保管方法など普段使っていて何かしら疑問点があるかと思います。今回はそんな補聴器の電池に関する疑問に答えていきます!
補聴器の電池って何電池?
補聴器に使用されている電池の種類ですが空気電池と呼ばれる物が使われています。この空気電池とは、わかりやすく説明すると空気中の酸素を利用して発電する電池です。
空気電池が使われている理由は空気電池はサイズが小さくて軽いです。そしてその割に容量が大きいからです。空気中の酸素を使って発電するため資源が少なく水銀はほとんど含みませんので安全に使う事ができるのも理由です。一方、空気電池は表面に貼られたシールを剥がすと発電が始まり使用していない間も発電し、残量は少しずつ減っていきます。
使用されている補聴器用空気電池について
補聴器用で主に使用されている空気電池の種類について紹介します。電池は補聴器によって対応する種類が分かれています。
- PR536(10)電池 パッケージカラー黄色
- PR41(312)電池 パッケージカラー茶色
- PR48(13)電池 パッケージカラーオレンジ色
- PR44(675)電池 パッケージカラー青色
この4種類が補聴器電池の種類です。1パック6玉入りです。数字で覚える以外にそれぞれシールやパッケージの色が分かれているのでその色で覚えておくと覚えやすいです。自分の使っている電池はどれだったか?とわからないという方もいらっしゃいます。補聴器電池の色は全世界共通です。海外で購入する時も色で覚えておくと安心です。
主な電池のメーカー
補聴器用空気電池の主なメーカーについて紹介します。主なメーカーはパワーワン(ドイツ製)、レイオバック(イギリス製)でしょうか。
シーメンスシグニアの電池はパワーワンでベルトーンの電池はレイオバックになります。それ以外の補聴器電池は中国製が多いです。電池は100均などでも販売されていますができれば補聴器専門店で購入されるのがいいです。
補聴器の電池は補聴器専門店で購入されるのが良いでしょう。その理由は専門店では商品の回転率が良い為に常に新しい新鮮な電池の在庫があるからです。あまり回転率の悪い所で買われると消費期限の少ない電池を買わされて、あまり持ちが良くないことがございます。
※電池の推奨期限は製造されてから約2年くらいです。新鮮な電池であれば買い置きしていても安心です。
補聴器電池の気になる使用時間
補聴器電池ってどれくらい持つのか?という事ですが一日約10時間使用での目安になります。
- PR536(10)電池 パッケージカラー黄色 5~6日程
- PR41(312)電池 パッケージカラー茶色 7~8日程
- PR48(13)電池 パッケージカラーオレンジ色 2週間程
- PR44(675)電池 パッケージカラー青色 3週間程
ただしこれはあくまで目安です。補聴器の種類、使用時間、環境によって電池の持ち時間は変わってきます。
電池の使用環境で持ちが変化する
電池の事で悩みが一番多いのは電池の寿命、持ち時間ではないでしょうか?当店にも最近電池がすぐなくなるなどのお問い合わせがあります。この原因は何故なのでしょうか?
実は空気電池の特徴に原因があります。空気電池はその名の通り空気中の酸素を利用して発電します。その為気温により発電が上手くできなかったり、消耗が早くなる事があるんです。
冬の電池消耗が早い原因
空気電池には適正な保管温度があります。気温が5度を下回ると電池寿命が早まります。発電もしにくくなる事もありますので注意して下さい。適正温度は約20度になります。冬は二酸化炭素にも注意が必要です。家でストーブやその他暖房器具を使用される方は換気をこまめにして下さい。空気電池は二酸化炭素に弱いです。
夏の電池消耗が早い原因
夏に考えられる原因はこちらも気温なのですが、汗が電池に付くとショートしてしまいます。これは電池内に汗が入り電池のプラス極とマイナス極が繋がりショートしてしまうのです。すると電池は熱を持ち、膨張して液漏れを起こしてしまいます。そして電池の消耗も早くなります。空気電池は小型の為プラス極とマイナス極が近いので汗が入るとショートしやすくなります。ですので汗が付着した場合は拭き取る様にしましょう。
電池残量をチェックできる商品があります
電池の減りが気になる方に、電池が後どれくらい残っているのかを確認できる電池チェッカーがおすすめです。
電池の正しい保管の仕方
電池の持ちを少しでも長くする保管方法を紹介します。間違った方法も一緒に紹介します。睡眠をとる時に補聴器を乾燥ケース、乾燥機に収納していただいていると思います。その時に補聴器から電池を取り出して下さい。電池をケース内に一緒に入れると電池の消耗が早くなります。乾燥ケースであればケースのフタが磁石になっているのでそこに置くようにしましょう。あとは室内の温度などにも注意していただければ電池の消耗も軽減できます。
間違った保管方法
反対に間違った保管の仕方も紹介します。当てはまる所があればそれが電池が早くなくなる原因かもしれません。
- 補聴器に電池が入ったままになっている
補聴器を外した後は必ず電池を取り出すか電池ロッカーを少し開けて電源を切るようにしましょう。
- 乾燥ケースや乾燥機に電池を一緒に入れる
空気電池の特性上乾燥させると電池の寿命が早くなります。電池は入れないようにしましょう。
- 電池の空気穴にテープやシールを貼る
電池は使う前にはシールが貼られています。シールを剥がすと発電します。使っていない時にもう一度シールやテープを貼っている方は注意して下さい。シールをもう一度貼ってしまうと空気を取り入れる穴が粘着物で詰まってしまう事があります。穴が詰まると発電しにくくなります。ですのでもう一度テープやシールを貼っているという方は要注意です。
電池の処理の仕方について
使用済みの電池の処理の仕方ですが使い終わった電池は補聴器販売店にお持ちください。安全のため、電池を1個ずつセロハンテープで包んで絶縁することが望ましいです。
まとめ
今回は補聴器の電池について紹介しました。空気電池はシールを剥がすと発電します。ですので補聴器に使用していない時でも残量は少しずつ減っていきます。空気電池は使用する補聴器の種類や使う環境によって持ち時間が変わってきます。気温の差や環境はどうにかする事ができないのですが、保管方法に注意してもらえると電池の持ち時間も変わってきますよ。
特に乾燥ケースに保管する時は電池を補聴器から外しましょう。正しい電池の保管と使い方で快適な生活を!