よく聞かれる質問の中に補聴器と集音器は何が違うのかと聞かれる事があります。
集音器も補聴器と一緒だとか、違いがある事すら知らない方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。実は補聴器と集音器って全くの別物なんです。補聴器は医療機器で集音器は医療機器ではありません。
集音器は今インターネットなどで簡単に購入する事ができます。ですので補聴器との違いを知らない方は買って失敗する事も少なくないです。今回は補聴器と集音器の違いや補聴器と集音器の選び方について紹介します。
まずは違いを知る事が重要です
今インターネットで簡単に購入する事が可能な集音器。集音器は見た目はいわゆる補聴器のような形状をしていても、正確には補聴器ではない製品もあるのをご存知でしょうか。集音器、助聴器、音声増幅器などと呼ばれる製品がそれに当たります。新聞の通信販売の広告などで見かけることもあると思います。形状や価格もさまざまなタイプが発売されています。
補聴器という名前で販売されている商品は、薬事法において管理医療機器(クラスⅡ)に分類されています。医療機器と認可されるためには、効果や安全面において厚生労働省が定めた一定の基準をクリアする必要があります。また販売方法も管理者の設置を義務付けるなど様々な制約が設けられています。
さらに個別の製品ごとに正式な認定を受けない限り、製造および販売ができないものなのです。そのため補聴器と名前のつくものは効果や安全性がある程度担保されているものと考えることができます。
補聴器は医療機器で集音器は違うということが大きな違い
補聴器についての正しい知識がないために補聴器と集音器や助聴器の違いについて知っている人は少ないです。補聴器の使用をする上で、まずは補聴器という製品について正しく理解することが非常に重要になります。補聴器について正しく理解するには補聴器と集音器や助聴器との違いをしっかりと認識する必要があります。
補聴器と集音器の違い性能
- 性能
- 価格面
- 入手のしやすさ
- 聞こえやすさ
わかりやすく分けるとこの様な違いがあります。それぞれ具体的に紹介します。
音の調整ができるかどうか
補聴器と集音器、重要なポイントは聴力に合った細かな調整ができるかどうかです。補聴器は聴力に合わせた音の調整が可能です。ですので補聴効果をこちらで確認する事ができます。一方集音器は補聴器の様な細かな調整が出来ないので効果があるのかがわからないです。
これはとても重要で、補聴器だと音の入り方などを見て聞こえに合わせられるのですが集音器だとその確認が難しいです。難聴の種類によっても合わせ方も異なりますし言葉の理解力、聞き取りに大きく影響します。
何故価格の差があるのか?
補聴器に比べ集音器は手を出しやすい価格設定になっています。これは何故かというと、集音器には精密な機械は入っていなくて決められた音の幅でしかボリューム変更が出来ません。最近の集音器は突発音防止機能なども付いていたりしますが補聴器の機能に比べると劣ります。ですので比較的安価で入手する事が可能です。補聴器は音質のデジタル化など現在は環境に応じた調整なども可能になってきています。
音の出力を出しすぎないように補聴器が自動で合わせてくれたりも可能です。この様な機械が内臓されているので補聴器は高価になります。イヤホンやマイクの性能も集音器より優れています。補聴器は買って終わりではなく購入後の音量調整などのアフターケアをする事が可能です。
補聴器と集音器の相場価格ですが補聴器は片耳で約50,000円~500,000円以上のものもあり、集音器は約2,000円~60,000円程度になりますね。
補聴器が販売店でしか購入出来ない理由
補聴器と集音器の買い方の違いについて。これは補聴器は医療機器で集音器は医療機器ではない、というのが大きな理由です。補聴器は管理医療機器であると同時に使用する人に合わせて調整することを前提とした機器です。補聴器は買って終わりという製品ではないため販売も補聴器専門店などでの対面販売が基本となっています。購入する際にはカウンセリングや聞こえの確認を行い購入者の聴力や聞こえの状態に合わせて補聴器のフィッティングを行いす。
また、購入した後も日常生活の中での聞こえの状況に合わせて購入店で調整をする事が可能です。一方、管理医療機器ではなく使用する人に合わせた調整を前提としていない集音器や助聴器は通信販売や電機店などで購入することが可能です。
単純に音を上げるだけで聞こえが良くなる訳ではないんです
聴力がどの程度低下しているのか難聴の程度は人によってさまざまです。聴力や聞こえに合わせて細かく調整しなければなりません。どの周波数の音が聞き取りにくくどのくらい出力を上げると聞きやすくなるのか、どの程度雑音を抑える必要があるのか。ですので聞こえを改善するには単純に音を上げるだけではダメなんです。管理医療機器である補聴器は、難聴者のニーズに応えられるよう使用する人に合わせて調整できる機能がついています。価格や機種により調整できる範囲や機能は違いますが、補聴器は使う人に合わせて調整を重ねることを前提としています。
一方集音器や助聴器は一般的には、使用する人に合わせて細かく調整する前提で製造された製品ではありません。音量調節等の機能は搭載されている製品が多いようですが聴力、聞こえに合わせて調整して使う機器ではありません。
まとめ
まずは集音器の効果と補聴器の効果の違いをしっかり知る事が大切です。補聴器が必要な聴力なのに簡単に購入できる集音器を選ぶと効果がなかったりします。難聴が進むと音の調整ができる補聴器を選ばないといけません。集音器は音の増幅はできますが聴力を入力して細かい調整をするなどは不可能です。
そこを理解していないとただ単に音を上げる集音器を買ってしまい失敗してしまう事があります。集音器と補聴器ですが聞こえの事を考えるとやはり補聴器をおすすめします。補聴器と集音器、聞き比べると違いもわかっていただけると思います。