補聴器にはいくつかの種類があり、その中に骨伝導補聴器と呼ばれる物があります。
骨伝導補聴器は少し特殊な補聴器で骨を振動させて音を伝える補聴器です。
この骨伝導補聴器と呼ばれる補聴器は難聴の方すべてを対象とはしていません。
ではこの骨伝導補聴器とは一体どの様な難聴の方を対象にした補聴器なのでしょうか?
一般的な補聴器との違いなども紹介していきます。
骨伝導とは?
音の中に気導音や骨導音と呼ばれる音があります。
骨導音とは骨の振動によって伝わる音をいいます。気導音とは空気を伝わって鼓膜を振動させて聴覚神経に伝わる音です。
骨導は頭蓋骨の振動が直接聴神経に伝わります。歯を鳴らす音など、これは骨導で聞いている音です。
例えば、録音された自分の声に違和感を感じませんか?
自分が聞く自分の声は、耳で聞いている気導音と骨導音が混じって聞こえています。
録音された自分の声は気導音だけで、骨導音は録音されません。
なので普段自分で聞いている声とは違って聞こえます。
気導音の音の入り方は外耳から中耳に入り内耳を通って聴神経、脳に伝わります。
骨導音は内耳から聴神経、脳の順番に伝わります。
骨伝導補聴器の対象になる方
骨伝導補聴器は骨を振動させて音を伝える補聴器です。
まず難聴には主に三種類あります。
伝音性難聴
感音性難聴
混合性難聴
この三種類の難聴の中で骨伝導補聴器は伝音性難聴と呼ばれる難聴の方にしか合いません。
そして骨導閾値が0dB~20dB以内の方ではないといけません。
もしくは片方の耳の聞こえが悪い一側性の難聴の方。感音性難聴の方や伝音性と感音性の混ざった混合性難聴の方、
伝音性難聴でも音声を聞き取る力がない方が装用しても効果は得られませんので注意が必要な補聴器です。
難聴の種類や耳の状態によっては活用できませんので活用できる、できないをしっかりと理解する事が重要です。
よく耳鼻科医師、補聴器専門店と相談して下さい。
伝音性難聴とは?
伝音性難聴とはどの様にしておこるのか?
中耳炎になり聴力が低下した
耳垢詰まり
生まれつき耳穴がない外耳道閉鎖症
鼓膜が破れてしまった
耳小骨の動きが悪くなる耳硬化症
これらの症状で聴力低下を起こした場合は伝音性難聴になります。
感音性難聴は老人性難聴、突発性難聴、先天性難聴などの症状があてはまります。
伝音性難聴について詳しくはこちらをご参考下さい。
骨伝導補聴器とはどの様な補聴器か?
補聴器といえばよく知られている一般的なものが耳にかける耳かけ形補聴器、耳穴に入れる耳穴型補聴器、
あとはポケット型、箱型補聴器と呼ばれる簡易的な補聴器があります。
いずれも医療機器で難聴の方を対象に作られた機器です。
通常の補聴器は耳の穴にスピーカーを入れて補聴器で増幅した音を鼓膜に伝えます。
マイクで拾った音を補聴器本体で増幅するのが普通の補聴器です。
今回紹介する骨伝導補聴器、こちらも難聴者を対象にした医療機器です。
声帯などの振動が頭蓋骨を伝わり聴覚神経に直接伝わる、この仕組みを利用した補聴器で、上記の一般的な補聴器とは少し異なります。
特殊な補聴器であり補聴器専門店でも販売できない理由がある補聴器です。
販売できない理由とは?骨伝導補聴器の形状について
骨伝導補聴器の形状について紹介します。
メガネ型
骨伝導で基本となるのがメガネ型の物です。
メガネのツルが補聴器になっています。両方に補聴器が付いていますが片方だけでも使用できます。
ツルの所に骨導子と呼ばれる振動板が付いています。
ツルが補聴器部分になり耳裏の乳突部に触れることにより、音が聞こえるようになります。
骨伝導補聴器は主にメガネ型です。補聴器専門店でメガネを扱ってなく調整ができない事があります。
販売できない理由というのはその為です。
骨伝導補聴器にはカチューシャ型もあります
こちらは主に小児用として使用されています。メガネ型に比べ強い圧迫も軽減されます。
音の来る方向から音が聞こえるので安全です。その為小児におすすめされています。
骨伝導補聴器のメリットやデメリット
メリット
一般的な補聴器は耳を塞ぐ為多少の響き感、閉塞感を感じる事があります。
骨伝導補聴器はメガネ型、カチューシャ型共に耳を塞ぐ事が無い為、響き感や閉塞感を感じる事がありません。
これは骨伝導補聴器のメリットの一つです。
伝音性難聴は骨導の聞き取りは良いので耳を塞ぐと自分の声がとても気になってしまう事があります。
ですので耳を塞がずに快適に使用できて聞き取りを改善できるのはとてもよい事です。
他にも耳を塞がない為耳の通気性もよく使う事ができます。
デメリット
ツルの部分(骨導子)をしっかりと乳突部に当てておかないといけないので長時間着けていると痛くなってくる事があります。
痛くなる他、人により乳突部がへっこんでしまう事があります。後、汗にも気をつけなければなりません。汗により故障する事があります。
形状がメガネなので耐久面が不安です。置いていたらお子様に壊されたという方の話も聞いた事があります。なので取り扱いに注意しなければいけません。
対応できるメガネの種類からお選びいただけます
大阪補聴器リスニングラボではメガネの知識があるスタッフもいますので骨伝導補聴器もおまかせ下さい!
骨伝導補聴器を合わせるのは補聴器の事以外にメガネについても知識が必要です。
当店では日本の補聴器メーカー、コルチトーン補聴器の骨伝導補聴器を取り扱っています。
こちらはツルのみかフレーム付きでもご用意できます。ツルのみでしたら対応するメガネのフレームをお選びできます。
コルチトーン補聴器の骨導式メガネ型の価格
単体価格 | 185,000円 (フレーム付) 160,000円 (ツルのみ) | 両耳価格 | 330,000円 (フレーム付) |
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最後に
骨伝導補聴器は着けて効果がある方が限られています。
伝音性難聴で音をしっかり理解できる方にしか効果がありません。
ですので感音性難聴の方、伝音性と感音性が混じっている混合性難聴の方には効果がありません。
一般的な補聴器と骨伝導補聴器、どちらが適正なのかを耳鼻科医師、補聴器専門店でしっかり判断してもらわないといけません。
大阪補聴器リスニングラボでは骨伝導補聴器についても対応、販売もしております。
メガネの知識のあるスタッフが在中していますのでご安心下さい。
購入後のアフターケアもしっかりと対応いたしますよ!