よく補聴器は片耳より両耳にした方がいいというのを聞いた事がありませんか?補聴器専門店に行ったら補聴器を両耳ですすめられた経験がある方も多いと思います。それは何故か?実は両耳に補聴器をすすめるというのにはしっかりとした理由があるんです!両耳の聴力低下がある方、これから補聴器を考えている方にも補聴器選びの参考になればいいかと思います。
実は両耳共に難聴の方が多いんです!
人には2つの耳があり難聴は耳によって左右でも症状が異なります。実は両耳共に難聴であるケースが多いという事はあまり気付かれていません。例えば片耳の聞こえが悪く感じて病院に聴力を検査しに行ったら実は両耳共に聴力が落ちていたという事もあります。
両耳とも難聴である事は片耳だけの難聴よりも多くの方にみられるんです。特に難聴度が高くなればなるほど、言葉の聞きとりは難しくなります。両耳に補聴器を装用すると聞きとりの改善、音の方向感も向上します。
何故両耳に補聴器をした方がいいのか?
片耳だけに補聴器をしている人をよく見かけるけど両耳に必要なの?と思われている方もいらっしゃると思います。では何故両耳に補聴器を装用した方がいいのかを簡単に説明します。
耳と脳の関係について
左耳からの音情報は主に右脳に、右耳からの音情報は主に左脳に伝達されます。そして左脳と右脳にバランスよく音情報が届くことで左右の脳が協力して能力を発揮します。例えば、多少騒がしい場所でも周囲のさまざまな音の中から話し相手の声を識別できるというのもその一例です。
そんな脳の働きを生かすためにも補聴器を両耳につけることは有効です。また目を例にすると左右どちらかの目だけでは距離感がつかめず歩きにくいです。そして片方だけに極端な負担がかかるので疲れやすくなります。耳にしても同様で、より快適な聞こえを得るためには左右でバランスよく聞くことが大切です。
片耳装用と両耳装用の補聴器効果の違い
両耳共に聴力低下がある場合、片耳だけに補聴器をするのと両耳ではどのような違いがあるのでしょうか?メリットとデメリットを少しまとめました。
片耳だけに補聴器をするメリット
- 補聴器が一つの為両耳と比べると価格面での負担が少ないです。
- 片耳の聞こえを補えるので補聴器をしていない時より音が聞き取りやすい。
片耳だけに補聴器をするデメリット
- 補聴器をしていない方向の音が聞き取りにくくなる為音の方向感がわかりにくくなります。
- 騒音下での会話や複数での会話が両耳と比べ聞き取りにくい。
- 片耳だけで聞こうとしてしまうので片耳に負担がかかり疲れやすくなります。
両耳に補聴器をするメリット
- 両耳に補聴器を装用する為両耳共に音が聞き取りやすくなります。
- 音の方向感が感じやすくなる。
- 騒音下や複数での会話が聞き取りやすくなる。
両耳に補聴器をするデメリット
- 補聴器が二つ必要なので価格面でのコストが増える。
- 音がよく入るので慣れるまで音が大きく感じる場合がある。
- 両耳に補聴器をする為人により閉塞感を感じる。
片耳だけに補聴器をしたい方の選び方
両耳に補聴器は予算が難しいという方やまずは片耳だけで使いたいという方もいらっしゃると思います。
では片耳だけに補聴器をする場合はどのように選んだらいいのかみてみましょう。
両耳の聴力差がほとんどない場合
両耳に聴力の差が無い場合は基本どちらの耳でも大丈夫です。利き手やよく電話する方の耳で選んでいただきます。しかし、聴力の差が無くても言葉の聞き取りの結果がいい方に装用するとより効果があります。
両耳の聴力差が極端な場合
この場合の選び方は二つあります。一つは聞こえの悪い方に装用する方法。これは聞こえの悪い方に補聴器をする為いい方の耳とのバランスをとるという方法。バランスはある程度保てるが言葉の聞き取り、理解度においてはあまり改善されにくいです。もう一つの方法は聞こえのいい方の耳に補聴器をするというやり方です。これは聞こえのいい方に補聴器をする事でより聞こえを補うという効果があります。
片耳補聴器装用の注意点
片耳の補聴器装用では片耳は今までより聞こえが改善されるが補聴器をしない側の耳が今までより聞こうとするのをやめてしまいます。補聴器を装用した耳に頼ってしまいそれにより脳への刺激が減少して神経回路の働きが休んでしまいます。
まとめ
両耳共に聴力の低下がある場合は音の方向感、耳、脳の働きに対して両耳の補聴器装用が望ましいです。両耳に補聴器をすると音の方向感と言葉の明瞭度が向上します。まずは耳鼻科医師、補聴器専門店にご相談下さい。
大阪補聴器リスニングラボでは両耳での補聴器の貸し出しもしています。ただ、無理に両耳にすすめたりはしていません。予算の問題やお客様の考えもありますのでお気軽にご相談下さい。聞こえの悩みを一緒に考えます。