難聴には様々な種類がありその中の一つに突発性難聴(一側性難聴)があります。
突発性難聴(一側性難聴)、それは今もまだ原因が解明されていない難聴の種類です。
突発性難聴は発症してから1週間以内に適切な治療をすると治る確率があがります。治らなければもう元の聴力には戻りません。
今回はその突発性難聴についてどのような症状があるのか?もし突発性難聴になった場合聞こえの改善策はあるのか?
最近話題になっているクロス(CROS)補聴器についても書いております。
突発性難聴とは?
突発性難聴は1944年に初めて報告された症状です。
原因が不明で突然内耳性の感音性の難聴になる。感音性は耳の中の内耳神経のことです。
突然難聴になり、その時の事がはっきりとわかる場合が多い。例えば朝起きたら聞えなくなっていたなどです。
発症時には強いめまいを伴う事があり、ある程度時を経て難聴が進んだような場合は突発性難聴とはされません。
原因がわかっているものは突発的な難聴でも突発性難聴とは診断はされず原因にしたがって診断名がつきます。発症率に男女差はなく40代から60歳代に多いのですが、小児の発症もあり全年齢で起こります。発症率は約3千人に1人と推定されています。再発する事はなく、遺伝要素はないです。
突発性難聴の特徴
突然聞えなくなる
高度な感音性難聴(軽度~重度の場合もある)
原因が不明
発症時に強いめまいがある
耳鳴り、耳閉憾を伴う事がある
吐き気、嘔吐を伴う事がある
一側が難聴になる場合が多い(両耳におこる場合もある)
このような特徴が一致すれば突発性難聴の可能性が高いです。
ただし似たような症状が出るメニエール病の疑いもありますので医師の診断結果を待ちましょう。
・メニエール病
30代から40代の女性に多い病気です。
よく見られる症状は突発性難聴と同じく、片耳の聞こえが悪くなる。
立っているのが困難になるほどの強烈なめまいもあります。
めまいに襲われると同時に難聴や耳鳴り、吐き気等の症状があらわれて数十分から数時間この発作がおさまるのを待つしかありません。
メニエール病の大きな特徴は発作を繰り返しながら悪化していきます。
メニエール病の治療には投薬や手術があります。悪化すると日常生活が困難になる。メニエール病は早期に治療を開始することで完治する事も少なくはありません。
突発性難聴がおこる原因
突発性難聴は初めに紹介したようにおこる原因は不明とされています。
しかし、幾つか原因と考えられているものがありますので紹介します。
ウイルスによる感染
ムンプス難聴やヘルペスウイルスの感染による内耳炎など、
ウイルス感染が原因という説。
ムンプス難聴とはおたふく風邪によるウイルス感染で高度な一側性の難聴になる。
内耳循環障害
毛細血管の血流が妨げられて内耳に血液が十分に届かず機能不全を起こす為におこるという説。
ただし突発性難聴は健康な人がなる事が多い為こちらはあまり有力な説ではないようです。
ストレスによるもの
過度のストレスが原因からおこるという説。
ストレスが原因でおこる難聴には心因性難聴と呼ばれるものがあります。
身体はいたって健康なのに耳の聞こえが悪くなってしまう。耳鳴りや頭痛を伴う事もある。
突発性難聴もストレスが原因ではないかといわれています。
突発性難聴の治療法にはどのようなものがあるのでしょうか?
突発性難聴は早期治療する事で聴力が回復する確率が高くなります。
適切な早期治療、安静にする事が極めて重要です。重度の場合は入院するのが望ましいとされています。一般的には発症から一週間以内に治療すれば比較的に治る確率があがります。
それ以降になると治る確率は大幅に下がってしまいます。
突発性難聴を防ぐ対策はあるのか?
突発性難聴は原因がわからない為予防する事が困難です。
健康な人が急に聞えなくなってしまうのでいつなるのかも予測できません。
突発性難聴の主な治療方法
突発性難聴の治療はステロイド剤の投与、血流改善剤、代謝促進剤、高気圧酸素療法などがある。
中でもステロイド剤の投与がほとんどの施設で第一選択となっています。
適切に治療すれば3分の1は完治し、3分の1は難聴や耳鳴りが残るものの症状は軽くなり、あとの3分の1は残念ながら治らないです。
治療したが聴力が回復しなかった場合
病院にて治療を受けたが回復の見込みがなかった方はどうすればいいのか?
早期治療で治る確率は上がりますが必ずしも完治する訳ではありません。
突発性難聴は治療で回復しなかった場合もう元の聴力に戻る事はありません。
今回は一側耳の聴力が失われてしまった時に有効な改善法を紹介したいと思います。
突発性難聴により片側の耳の聴力が悪くなってしまった時どのようにすれば改善できるのだろうか?
もう聴力は回復しないし片耳が聞こえないまま生活しなくてはいけないのか?
片耳が聞こえない事による悩み
片耳が聞こえなくなったけどもう片方は聞えるしそこまで困らないかなと思った方もいるかもしれません。しかし、片側が聞えなくなる事で生活に色々な支障が出てきます。
・音の方向感覚がわからない
片耳が聞こえない事で音がどこから聞えているのかわからなくなります。
通常両耳で聞いてるのですぐわかりますが片耳が聞こえなくなるとどこから音が聞えているのかわからなくなります。
・周りが騒がしいと何を話しているのか聞き取れない
外や騒がしい場所になると会話の聞き取りがより難しくなります。
・横で話しをされると聞き取れない
片側耳の難聴になると相手がその事を知らない場合は聴力が悪い側で話しかける事もあります。
そういった時聞き返したりする事が増えてきます。一対一の会話もスムーズに行うのが困難になります。
このように片耳が聞こえなくなると仕事での重要な話しがわからない事や友人との会話など生活に支障が出てきます。
ではそれをどのようにすれば改善できるのか?
補聴器で片側耳の聞こえを補う画期的な方法を紹介します!
難聴により聞き取りが悪くなった、あるいは全く聞えなくなった時に手助けとなるのが補聴器です。
・補聴器について
ここで注意してもらいたいのが補聴器の種類です。ただ補聴器をすればいいという訳ではないんです!何も知らずに補聴器を進められて失敗したという事例もよくあります。
そんな失敗をしない為に今回は一側耳の難聴の方に効果のある補聴器
クロス補聴器を紹介します!
クロス補聴器とは?
クロス補聴システムとも呼ばれています。
クロス補聴器は片耳の聴力低下があり、もう片耳が聞こえているという方に効果があります。
クロス補聴器は一側性難聴で条件さえあえばよい効果が見込まれます。
聞える耳に補聴器を装用して聞えない耳にクロス補聴器(送信器)を装用します。
聞えない耳にするクロス補聴器に入った音を聞える耳にする補聴器に送信するというイメージです。
ですので両方向からの音を片耳で聞くという事ができます。
クロス補聴器の使用に適している方
片方の耳が健聴の方
補聴器をしてもうまく補えない方(聴力低下が大きい方や音を理解するのが困難な方)
クロス補聴器は片耳だけが聴力低下した方の為に作られた機器になります。
補聴器では補えない耳なので聞える耳に音を転送する、それがクロス補聴器の仕組みです。
バイクロス補聴器
バイクロス補聴器は上記で述べたクロス補聴器の構造から聞こえている側の耳に軽度もしくは中度の難聴がある場合に対応します。聞こえている側も軽中度難聴があれば補聴器で難聴を補い、聞こえていない側の耳は聞こえている側へクロス補聴で送信する調整のことです。
クロス補聴器をする事で改善できる3つのポイント
・聞こえにくい方向から話しかけられても聞きやすくなる
・騒がしい環境でも聞きやすくなる
・大勢の人の話しも聞えない側からでも聞きやすくなる
音の方向感に関しては片耳に音を入れる為改善が難しいです。しかしこの3点に関しては聞きやすく改善する事ができます。
当店ではPHONAK(フォナック)のクロス補聴器をおすすめしています。
フォナックのクロス補聴器には耳かけ形と耳穴型の2種類があります。
※クロス補聴器は電波を使用する製品のため、心臓ペースメーカーをお使いの場合はご購入の前に必ず専門医にご相談ください。
クロス補聴器の耳かけ形と耳あな型の効果の違い
耳かけ形
- 耳を塞がないので違和感が少ないです。
- 片耳が健康で片耳が聞こえないクロスの方に有効的です。
- 耳かけ形の良い所はすぐに試していただく事ができます。
既製なので店舗での試聴がすぐにできる。耳あな型は耳の型を採って作るので仕上がるまで試す事ができません。 - 耳かけ形はメガネや帽子をされる方の邪魔になりやすくなってしまいます。
耳かけはマイクの位置に髪の毛やメガネなどが当たると余計な音を拾ってしまう事があります。 - 耳かけ形はマイクの位置の関係で通常の耳が音を拾う感覚と異なります。
前方より後方の音が聞きやすいなどの原因はそのような理由があります。
全体的に音を拾いやすいです。
耳あな型
- 耳の方をオーダーするので耳を塞ぎます。ですので慣れるまでに違和感があります。
- バイクロスには有効的です。
- 耳の耳介を利用して音を集音するので音の入り方が自然に近くなる。
耳かけ形と違い耳穴型は耳の中に入れるので前方の音の方が入りやすく余計な音を拾いにくい。
耳本来の感覚に近くなります。 - メガネや帽子などの邪魔にならない。
耳穴型は耳かけ形と違い耳の中に入れるので当たったり邪魔にならないです。 - 騒がしい場所などでは耳かけ形に比べると聞き取りやすい。
マイクの位置関係で耳かけ形は全方向の音を拾いやすいのに比べ耳穴型は前方の音を中心に拾いやすい。 - 耳かけ形と耳穴型ではこのような違いがあります。
フォナックのクロス補聴器の価格は耳かけ形は約9万円で耳穴型は約12万円です。
それと補聴器も必要ですので耳かけ形で26万円ほどから、耳穴型は約30万円からになります。
クロス補聴器のまとめ
クロス補聴器は聞えない耳にクロス補聴器を装用し、聞える耳に補聴器を装用します。
クロス補聴器に入った音を聞える耳の補聴器に送信するという仕組みになっています。
主に片側の耳が聞こえにくく補聴器では補えない一側性難聴の方向けの機器になります。
このクロス補聴器をする事で聞えにくい側の音声を聞える側の耳で聞く事ができます。
最後に
急に耳が聞こえなくなったらすぐに病院で診てもらいましょう。
医師の診断にしたがって治療して下さい。
治療して回復すれば安心ですが、回復しなかった場合
その時はもう諦めてそのまま生活する方も中にはいるのですが
そうすると仕事や友人とのコミュニケーションに支障が出てきます。
ですので回復しなかった場合は補聴器を一度試してみて下さい。
補聴器は耳を治療する道具ではありませんが聞こえの補助をしてくれます。
聴力にあった補聴器を着ければ個人差もありますが効果があります。
大阪補聴器リスニングラボでは今回紹介したクロス補聴器に力を入れています。
試聴も勿論可能です。お客様からはクロス補聴器で仕事で聞えなかったという悩みがなくなったなどのお声をいただいています。
一側性難聴でお困りの方は諦める前に是非一度試してみて下さい。