こんにちは!大阪の補聴器専門店リスニングラボ心斎橋店のスガイです。今回は、片耳難聴でお困りの方によく選ばれているクロス補聴器について、詳しくお話させていただきます。
片耳だけ聞こえにくくなると、日常生活で様々な不便を感じることがありますよね。そんな時に頼りになるのがクロス補聴器なんです。なぜクロス補聴器が片耳難聴の方に選ばれるのか、その理由をわかりやすくご説明していきますので、ぜひ最後までお読みください。

片耳難聴なんだけど、使える補聴器はあるのかな😟 騒がしいところでの会話が本当に聞きづらくて困ってるの…

片耳が聞こえないんだね。普通の補聴器だと難しい人が使える補聴器に、クロス補聴器というものがあるらしいよ! 聞こえない耳の音を聞こえる耳に送ってくれる仕組みなんだ✨

そうなんだ😊 でもどうやって調べたり探したらいいのかな? 失敗したくないし、ちゃんと自分に合うものを見つけられるか心配で…😅

まずは補聴器の専門店に行くのがいいね!💪 補聴器専門店のスタッフがしっかりサポートしてくれるよ。聴力測定から試聴まで、コマちゃんに合ったものを一緒に探してくれるから安心だね✨

片耳難聴とはどんな症状?

片耳難聴とは、文字通り片方の耳だけが聞こえにくくなる、または全く聞こえなくなる状態のことです。一側性難聴とも呼ばれています。
片耳難聴の原因として考えられるもの
- 突発性難聴
- ムンプス難聴(おたふく風邪)
- 先天性難聴
- 外傷による難聴
- 聴神経腫瘍
- メニエール病
とくに突発性難聴は、ある日突然片耳が聞こえなくなる病気で、治療は発症から1週間以内に行うことで約40パーセントの人が完治し、50パーセントの人に症状の改善が見られると言われています。しかし、発症から時間が経過してしまうと治療効果が下がってしまうため、早めの医療機関への受診が大切です。
片耳難聴で起こる日常生活の困りごと
片耳難聴になると、こんな困りごとが起こります。
- 音の方向が分からない
- 騒がしい場所での会話が困難
- 聞こえない側からの話し声に気づかない
- 電話での会話が片耳でしかできない
- 車の運転時の安全確認が難しい
これらの問題は、たんに「聞こえない」だけでなく、社会生活やコミュニケーションに大きな影響を与えてしまいます。
クロス補聴器とは何か?

クロス補聴器(CROS補聴器)は、片耳難聴の方のために開発された特殊な補聴器システムです。聞こえない耳側の音を反対側の耳に転送します。
クロス補聴器の基本的な仕組み
クロス補聴器は、聞こえの悪い耳でひろった音を、良い方の耳にとどけるシステムです。従来の補聴器が音を増幅して同じ耳に届けるのとは違い、クロス補聴器は音を反対側の耳に転送するのが特徴です。
具体的なしくみは以下の通りです。
- 音の収集:難聴がある耳にクロス補聴器をつけ、音を集めます
- 音を届ける:クロス補聴器で集められた音声を、通信技術によって瞬時に反対耳側の補聴器に送信します
- 音声再生:クロス補聴器で集音した音声を補聴器で聞かせてくれます
一般の補聴器との違い
通常の補聴器とクロス補聴器には、大きく4つの違いがあります。
- 音声の出力をしない
- 単体で着けても動作しない
- 通信による音声の転送
- 医療機器ではない
補聴器とクロス補聴器は、補聴器と名がつきますが用途はまったく違います。クロス補聴器は補聴器と一緒に着けなければ効果がありません。

なぜクロス補聴器が選ばれるのか?
ほかに改善策がないから
片耳難聴にクロス補聴器が選ばれる最大の理由は、それ以外に有効な改善策がないためです。聴力にもよりますが、片耳が全く聞こえないという方は一般的な補聴器の効果を得ることができません。左右の聴力に大きな差、40dB以上あれば通常の補聴器でおぎなうのは難しいです。
言葉の明瞭度の問題
言葉の明瞭度が悪い場合、補聴器を着けても音としか聞くことができず、言葉として認識することができなくなります。そのため、片耳難聴をおぎなう役割としてうまれたのがクロス補聴器です。
適応となる条件
クロス補聴器がとくに効果を発揮するのは、片耳難聴の場合です。片方の耳の聞こえがいちじるしく低下、または失われている一方で、もう片方の耳は正常か比較的良好な聞こえをたもっている状態をさします。また、片耳がおなじような状況で、もう片耳にも軽度~中度の難聴がある方にも有効的です。
クロス補聴器の種類
クロス補聴器には、システムの違いがあります。
システムの種類
CROSシステム
CROSシステムは、片耳の聴力が正常で、反対側の耳に高度~重度の難聴がある方向けのシステムです。聞こえない側の音を、聞こえる耳に転送することで、360度の音環境を実現します。
BiCROSシステム
BiCROSシステムは、両耳に難聴がある方向けのシステムです。左右で聞こえの良い方の耳に補聴器を装着し、反対側からの音も合わせて聞くことができます。より多くの音情報を集めることで、豊かな聞こえを実現します。
クロス補聴器のメリットとデメリット

メリット
複数人での会話の改善
複数人で話しをするときに、聞こえない側からの話し声がわかるようになります。対面での会話と違って、聞こえづらい側からの声かけに気付くのは難しいものですが、クロス補聴器なら聞こえの範囲が広がるので、気付きやすくなります。
会話の聞き取りやすさの向上
クロス補聴器の使用により、日常会話や外出時の安全確認などで聞きとりをおぎなうことができます。
周囲の状況把握力の向上
難聴側の音も知ることができるので、周囲の状況をより把握できるようになります。
安全性の向上
交通安全面では、車の接近音などを察知しやすくなります。
デメリット
音の方向感覚が認識しづらい
聞こえがいい耳にしか、難聴側の音声は入らないので、音の方向を知ることはむずかしいです。
バッテリーの消費が早い
聞こえない方の音を聞こえる方の補聴器に送り続けるため、常に通信をした状態になります。そのため、通常の補聴器よりもバッテリー消耗は通常の補聴器よりも早くなります。

クロス補聴器の購入費用について
クロス補聴器の価格
クロス補聴器の価格はおおむね10万円~約17万円です。しかし、クロス補聴器単品では使うことができないので、聞こえる方の耳につける補聴器も必要です。補聴器はそれぞれのメーカーで対応しているものが決まっています。
システム全体の費用
実際には以下の費用が必要になります。
- CROS送信機:110,000円~169,400円(メーカーによりことなる)
- 補聴器:価格はメーカーや機能によりことなる
例・シグニアのピュアC&G 3IXとクロス補聴器を組み合わせる場合だと、補聴器の価格309,000円、クロス補聴器の価格110,000円なので合計419,000円となります。
試聴について
多くの専門店では試聴サービスを提供してます。当店の場合、試聴期間は2週間(延長の利用可能)です。実際に日常生活で使ってみることで、自分に合うかどうか確認できます。
クロス補聴器を選ぶポイント
補聴器専門店での相談が重要
クロス補聴器は一般的な補聴器と違うシステムなので、専門的な知識を持った認定補聴器技能者のいる店舗での相談をおすすめします。
聴力測定の重要性
まずは正確な聴力測定をおこない、クロス補聴器が適しているかを判断する必要があります。左右の聴力差や言葉の明瞭度なども重要な判断材料です。
ライフスタイルにあわせた選択
- 仕事でよく会議に参加する方
- 接客業をされている方
- 日常会話を楽しみたい方
など、それぞれの生活環境にあわせて最適な機種を選ぶことが大切です。
補聴器メーカーの違い
すべての補聴器メーカーがクロス補聴器を扱っているわけではありませんし、メーカーによって機能性や価格、デザインもことなります。各メーカーの特徴を理解し、自分に合ったものを選びましょう。

まとめ
片耳難聴にクロス補聴器が選ばれる理由は、他に有効な改善策がないからです。通常の補聴器では効果が期待できない片耳難聴の方にとって、クロス補聴器は聞こえの改善を実現する重要なツールとなります。
クロス補聴器を使用することで、複数人での会話が改善され、周囲の状況把握力が向上し、日常生活での安全性も高まります。一方で、音の方向感覚が認識しづらくなったり、電池の消費が早くなるなどのデメリットもありますが、多くの方にとってメリットの方が大きいのが現実です。
大阪の補聴器専門店リスニングラボ心斎橋店では、片耳難聴でお困りの方のご相談を承っております。無料試聴も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。あなたの聞こえの改善をしっかりとサポートさせていただきます。
よくある質問(FAQ)
Q: クロス補聴器は健康保険の適用はありますか?
A: 残念ながら、クロス補聴器は健康保険の適用外です。
Q: クロス補聴器の電池はどのくらい持ちますか?
A: 通常の補聴器よりも電池の消耗は早く、使用頻度にもよりますが、一般的に3~7日程度です。常に通信状態にあることが電池消耗の原因です。充電タイプの場合だと最近ではフル充電で20時間以上もつクロス補聴器も出ています。
Q: メガネをかけていてもクロス補聴器は使えますか?
A: はい、使用可能です。サイズも小型のものが多いのでわずらわしさは感じにくくなっています。
Q: 片耳だけでなく両耳に難聴がある場合でも使えますか?
A: はい、聴力によりますがバイクロスシステムという選択肢があります。
Q: 運動をするときでも使用できますか?
A: どのクロス補聴器も運動用ではないため、使用が推奨されているわけではありませんが着けること自体は可能です。ただし、スポーツの内容によってはクロス補聴器の損傷や落下のリスクが考えられますので自己責任の部分がありますね。
Q: 雨の日や汗をかいたときは大丈夫ですか?
A: 最近のクロス補聴器は防水・防塵加工が向上していますが、完全防水ではありません。雨や汗には注意が必要で、使用後は乾燥ケースでのお手入れをおすすめします。
Q: 試聴期間中に気をつけることはありますか?
A: 試聴期間中は、無理のない範囲でさまざまな環境で使用してみてください。静かな場所だけでなく、騒がしい場所、屋外、会議室など、日常生活で使用する場面での聞こえ方を確認することが大切です。