こんにちは!大阪の補聴器専門店リスニングラボ心斎橋店のスガイです。今回は片耳難聴でお悩みの方に向けて、クロス補聴器についてくわしくご紹介します。
片耳だけが聞こえづらい・聞こえないという状態は、日常生活で様々な困難を引き起こします。会話の聞き逃しや方向感覚の低下など、目に見えない障害だからこそ周囲になかなか理解されにくいこともあります。
そこで今回は、片耳難聴の方におすすめのクロス補聴器について、仕組みから選び方とおすすめ機種までを徹底解説します。片耳難聴の悩みを解決する第一歩として、ぜひ参考にしてください!
片耳難聴とは?その原因と日常生活での困難

片耳難聴とは、文字通り片方の耳が正常聴力で、もう片方のみが難聴である状態のことで、一側性難聴とも呼ばれています。
片耳難聴の主な原因
片耳難聴になる原因は複数あります。
- 生まれつきの難聴(先天性難聴)
- 突発性難聴
- ムンプス難聴(おたふく風邪)
片耳難聴は、早期の治療で回復するケースもありますが、治療しても回復しなかった場合は残念ながら元の聴力に戻ることはほとんどありません。感音性の難聴になることが多いのが特徴です。
片耳難聴の方が日常で感じる困難
片耳難聴の方は、もう片方の耳は聞こえているため、両耳が難聴の方にくらべると不便さは少ないように思われがちです。しかし実際にはさまざまな悩みをかかえています。
- 騒音下では声は聞こえても会話の内容が理解できない
- 複数人との会話で話し手や会話内容がわからなくなることがある
- 聞き返しや聞き逃しが多くなる
- 人とのコミュニケーションがうまく取れなくなる
- 離れた場所から話しかけられても気づかないことがある
近距離での会話は問題ないことが多いですが、少し距離がある状態、難聴側で会話がはじまると内容の理解がむずかしくなります。つねに人との距離や位置関係に注意を払わなければならず、それがストレスにつながることも多いのです。
両耳で聞くことの重要性
片耳難聴の不便さをより理解するために、両耳で聞くことの重要性について説明します。健常な聴力では、両耳を使うことで様々な聴覚効果が得られます。
両耳聴の主な効果
- 両耳加算効果: 両耳で聞くと片耳より3dB程度音が大きく感じられる現象。日常生活では6~10dBの違いになることもあります。
- 頭部陰影効果: 頭がバリアとなって反対側からの音が小さくなる現象。片耳難聴では、聞こえにくい耳側からの情報が入りにくくなります。
- 音源定位: 左右の耳で感じる音の強さや到達時間の違いを脳で分析し、音の方向を特定する能力。片耳難聴ではこの能力が低下します。
これらの効果が得られないことが、片耳難聴の方が日常生活で感じる不便さの原因になっています。
クロス補聴器とは?基礎からしくみまで

片耳難聴の方の悩みを解決するために開発されたのが「クロス補聴器」です。クロス(Cros)は、補聴器とは少しことなる、片耳難聴者向けの特殊な機器となります。
クロス補聴器の基本的なしくみ
クロス補聴器は、きこえの悪い耳でひろった音を、良い方の耳にとどけます。従来の補聴器が音を増幅して同じ耳に届けるのに対し、クロス補聴器は音の情報を反対側の耳に転送する点が特徴的です。
具体的には、難聴側の耳にクロス補聴器を装着して、健聴側には通常の補聴器を装着します。難聴側の音はクロス補聴器のマイクで集音して、健聴側の補聴器に送信し、健聴の耳で難聴側と健聴側の音声を両方聞くというしくみです。一般的な補聴器とは違い、クロス補聴器単体では音の出力はありません。
システム別の種類と特徴
クロス補聴器には、おもに2種類のシステムがあります。
- CROSシステム: 片耳の聴力が正常で、反対側の耳に高度な難聴がある方向けのシステムです。聞こえない側の音を、聞こえる耳に転送することで、360度の音環境を実現します。
- BiCROSシステム: 両耳に難聴がある方向けのシステムです。聞こえの良い方の耳に補聴器を装着し、反対側からの音も合わせて聞くことができます。
これらのシステムは、ユーザーの聴力状態に応じて選択されます。
クロス補聴器のメリット・デメリット
クロス補聴器を検討する際には、そのメリットとデメリットを理解しておくことが重要です。
クロス補聴器の主なメリット
クロス補聴器を使用することで、以下のような効果が期待できます。
- 聞こえる範囲が広がる: 難聴側からの音も認識できるようになります。
- 聞き返しや聞き逃しが減少: 360度からの音情報が得られるため、聞き漏らしが減ります。
- 複数人との会話も理解しやすくなる: 位置に関わらず会話を聞き取りやすくなります。
- 騒音下でも会話の聞き取りがしやすくなる: 騒がしい環境での聞き取り能力が向上します。
- 精神的ストレスの軽減: 聞き取り能力の向上により、コミュニケーションの不安やストレスが減少します。
クロス補聴器のデメリット
一方で、以下のようなデメリットも理解しておく必要があります。
- 価格の負担: クロス補聴器と補聴器の2台分の費用がかかります。最低でも25万円程度から必要になります。
- バッテリー消費: 常に左右で通信をおこなうため、電池の消耗がはやくなります。一日中使用すると3~4日で電池交換が必要になることもあります。
- 音の方向感覚の問題: 難聴側の音も健聴側の耳で聞くため、音の方向を正確に判断することが難しくなります。ただし、使用に慣れると方向感も改善することがあります。
これらのデメリットを理解した上で、自分のライフスタイルや聴力状態にあわせて検討することが大切です。
クロス補聴器の選び方
クロス補聴器を選ぶ際には、いくつかのポイントを考慮する必要があります。
機能や特徴による選択
クロス補聴器を選ぶさいに確認したい機能や特徴には以下のようなものがあります。
- バッテリーの持続時間: 充電式の場合、使用可能時間は機種によってことなります
- 防水・防塵性能: 日常生活での耐久性に関わります
- クロスバランス調整: 難聴側からの音量バランスを調整できる機能
購入前の試聴・レンタルの活用
クロス補聴器は高額な投資になるため、購入前に試聴やレンタルを活用することをおすすめします。
多くの補聴器専門店では、クロス補聴器の試聴が可能です。当店リスニングラボ心斎橋店でも、2週間の無料レンタルを実施しています。実際に自分の生活環境で使ってみることで、効果を実感できるかどうかを確認できます。
令和7年最新!おすすめのクロス補聴器3選

ここでは、当店でも人気の高いクロス補聴器を3つご紹介します。各モデルの特徴や価格帯、おすすめポイントをご説明します。
フォナック クロスI-R
メーカー: スイス・フォナック
形状: 耳かけ型RICタイプ
保証: 1年
電源: 充電式
おすすめポイント:
- クロスバランスを簡単に操作できる
- 遠隔リモートで調整可能
- オートセンスOSによる快適な音質
- スマホ連動で専用アプリ使用可能
- サウンドリカバーによる明瞭度改善
クロス補聴器の最新機種です。操作性がとても良く、手元で簡単に音量感を変えられます。自動環境認識機能のオートセンスOSにより快適な音質で聞こえを改善。指向性マイクの働きもあり、ある程度の生活環境に対応できる万能機種です。
スターキー RIC RT クロス
メーカー: アメリカ・スターキー
形状: 耳かけ型RICタイプ
保証: 1年
電源: 充電式
おすすめポイント:
- 遠隔調整が可能
- 安心の防水性能
- スマートフォンアプリで便利
- プログラム操作可能
- 雑音の少ない快適な音質
スターキーの高性能モデル、エッジAIに対応可能で、騒音下での会話の聞きとりに対応できる音質バランスを実現。バッテリーが非常に強く、各メーカーの中でもトップの稼働時間をほこります。
シグニア Pure Charge&Go クロス IX
メーカー: ドイツ・シグニア
形状: 耳かけ型RICタイプ
保証: 1年
電源: 充電式
おすすめポイント:
- 騒がしい場所にも強い
- 専用スマホアプリ対応
- 遠隔調整が可能
- バッテリー長持ち
- 4時間急速充電
シグニアの最新モデルは環境認識と自身の動きを感知して片耳難聴の聞こえをサポート。バッテリーが長持ち(連続使用28時間)するのが魅力で、これまでバッテリー寿命が課題だったクロス補聴器の弱点を大きく改善しています。充電器には予備バッテリーも内蔵され、外出先でも安心です。
クロス補聴器購入の流れ
クロス補聴器を実際に購入する際の流れについてご説明します。
カウンセリングと聴力測定
まずは補聴器専門店での詳細なカウンセリングと聴力測定が必要です。片耳難聴の程度や原因、生活環境などを詳しく聞きとり、最適な補聴器のタイプを提案します。
試聴とレンタル
次に、実際にクロス補聴器を試聴してみましょう。店舗内での短時間の試聴だけでなく、可能であれば実際の生活環境で使用してみることをおすすめします。
当店リスニングラボ心斎橋店では、クロス補聴器の2週間無料レンタルを実施しています。レンタルの流れは以下の通りです。
- カウンセリング
- 聴力の測定
- 試聴
- レンタル
所要時間は約1時間~1時間半程度で、レンタル時には身分証明書をご持参いただく必要があります。
調整とフォローアップ
クロス補聴器を購入した後も、定期的な調整やメンテナンスが重要です。はじめて使用する場合は、音の感じ方になれるまで時間がかかることもあります。
使用感や不具合などあれば、遠慮なく相談してください。微調整をかさねることで、より快適な聞こえを実現できます。
クロス補聴器で実現する快適な聞こえ
クロス補聴器を使用することで、片耳難聴の方の生活は大きく改善する可能性があります。具体的には以下のような変化が期待できます。
日常会話の改善
- 難聴側からの声かけにも気づけるようになる
- 複数人での会話でも話についていきやすくなる
- 聞き返しや聞き逃しが減少する
安全性の向上
- 周囲の状況をより把握しやすくなる
- 車や自転車の接近など、周囲の危険に気づきやすくなる
- 公共の場でのアナウンスなども聞き取りやすくなる
ストレスの軽減
- コミュニケーションの不安が減少する
- 会話についていけないストレスが軽減する
- 社会活動への参加がしやすくなる
これらの改善により、片耳難聴の方の生活の質(QOL)が向上し、より積極的に社会参加できるようになります。
リスニングラボでのクロス補聴器相談
大阪の補聴器専門店リスニングラボ心斎橋店では、クロス補聴器に関する専門的なサポートを提供しています。
専門スタッフによる丁寧な対応
当店では認定補聴器技能者の資格を持つ4名のスタッフが、片耳難聴の方の聞こえの悩みに親身になって対応します。カウンセリングから聴力測定、機種選定まで一人ひとりに合ったサポートを提供します。
補聴器の2週間無料レンタルサービス
購入を検討される方に、補聴器の2週間の無料レンタルサービスを実施しています。クロス補聴器も対象ですので、実際の生活環境での効果を確認してから購入を決めることができます。
ご利用の際には事前予約をお願いしています。人気機種やクロス補聴器はレンタル中でご用意できない場合もありますので、事前にご連絡ください。
アクセス情報
認定補聴器専門店 リスニングラボ心斎橋店
〒542-0081
大阪市中央区南船場3丁目12-25 ZAI心斎橋ビル 5階502号
営業時間: 10:00-18:00
定休日: 木曜日
TEL: 06-6252-3333
まとめ
片耳難聴は「見えない障害」として周囲に理解されにくく、日常生活で様々な困難をもたらします。特に複数人での会話や騒がしい環境での聞き取りが難しくなり、コミュニケーションに支障をきたすことがあります。
クロス補聴器は、聞こえない側の音を聞こえる耳に転送するという独自の仕組みで、これらの問題を解決する画期的なシステムです。従来の補聴器とは異なり、片耳難聴に特化した設計となっています。
選び方のポイントとしては、形状や機能の検討、そして何より実際に試してみることが重要です。
おすすめ機種としては、フォナックやシグニア、スターキーなど使いやすさや音質、バッテリー持続時間などにすぐれたモデルがあります。
クロス補聴器を検討される際には、ぜひ当店リスニングラボ心斎橋店の2週間無料レンタルをご利用ください。実際の生活環境で試すことで、本当に自分に合った補聴器かどうかを確認することができます。
片耳難聴でお悩みの方が、クロス補聴器によって快適な聞こえを取り戻し、日常生活をよりゆたかにすごせるよう、スタッフ一同全力でサポートさせていただきます!
よくある質問(FAQ)
Q: クロス補聴器は両耳に装着する必要がありますか?
A: はい、両耳に装着します。聞こえにくい耳側に送信機(クロス補聴器)、聞こえる耳側に受信機(補聴器)を装着します。これにより、難聴側のきこえをおぎなうことが可能になります。
Q: 片耳だけの補聴器でも効果はありますか?
A: 片耳補聴器でおぎなえるかどうかは片耳難聴のきこえの程度によります。軽度の片耳難聴の場合だと、片耳の補聴器で効果をえれる可能性が高いです。
Q: クロス補聴器は保険適用になりますか?
A: 残念ながら適用されません。
Q: クロス補聴器の電池寿命はどのくらいですか?
A: 電池寿命は使用状況や補聴器の種類によってことなりますが、充電式の場合は、フル充電で約18時間~20時間以上使用できるモデルが多くあります。
Q: 片耳難聴用の補聴器の価格はどのくらいですか?
A: クロス補聴器に適応する補聴器の場合、20万円以上はみておきましょう。クロス補聴器単体の価格は、10万~16万円程度が一般的です。クロス補聴器の購入は合計で30万円以上から予算を組んでおく必要があります。
Q: クロス補聴器を使用しても音の方向がわかりますか?
A: クロス補聴器では難聴側の音も健康な耳側で聞きとるので、初めは音の方向を判断することが難しく感じることが多いです。ただし、補聴器に慣れてくると個人差はありますが、方向の判断もしやすくなる方もいらっしゃいます。
Q: クロス補聴器のレンタルはできますか?
A: 多くの補聴器専門店ではクロス補聴器の試聴が可能です。当店リスニングラボ心斎橋店でも2週間の無料レンタルを実施しています。まずは自分に合うかどうか試してみることをおすすめします。
Q: スマートフォンとの連携は必須ですか?
A: 補聴器とスマートフォンの連携は必須ではありません。ただし、連携することで音量調整やきこえの設定をよりこまかくカスタマイズできるため、より便利な使用が可能になります。
Q: CROSバランスとは何ですか?
A: CROSバランスとは、クロス補聴器で集音した音と聞こえる側で集音する音のバランスを調整する機能です。使用環境このみに応じて調整することができます。
Q: クロス補聴器は誰でも取り扱っていますか?
A: クロス補聴器はまだ新しい技術で、取り扱いや調整には専門知識が必要です。すべての補聴器店で取り扱っているわけではなく、専門的な知識を持った補聴器専門店を選ぶことが重要です。